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アクティブラーニング&ICT最前線

ー21世紀型授業づくりへの挑戦。あと読書。ー

「授業を考える会」第1回実施報告

研修記録

※実施報告書より転載

※なお、授業者Y先生は私自身です。

 

●内容
1.授業見学 7月26日(金)13:00~14:30
 夏期講習 高2数学 「目標・全統70」Y先生
 2年1組、2組、3組の生徒24名

2.振り返り会 同日15:00~16:00

 

●授業内容紹介(授業者より)
アクティブラーニング(≒講義のみでない授業)を取り入れた授業を実践しました。
京大と東大の「確率」単元の入試問題をグループ演習課題として、4人グループでワークシートに従って問題を解き進める形式で、まずは「小スケールで実験」したり「フローチャート」を描いたりして問題状況の把握の仕方を学び、その後段階的に出されるヒントを利用して解答を目指しました。

 

●振り返り会 リフレクション&アクションカードより
(1) 授業見学と振り返り会を通して、気づいたこと
全統模試70を目標とした講習として、正解に至るためにはどのような知識や解法が必要なのかに気付く授業の展開がなされたこと。


・他の先生たちの発言を聞いていて、授業のゴールをどこに設定するかで授業内容はずいぶん変わるんだなと思いました。


・生徒が生き生きと問題を解いている姿が印象的でした。考えに詰まったときに、考え続けるというのがすごく難しいことだと思うので、段階的に考えていける工夫があったのがよかったです。結果的に最後までどのグループも集中して≒についての話題が尽きていなかったので。


・生徒を100%信頼した環境を作る勇気が必要。


・グループの集中力を高いレベルで維持するための工夫が見られた。事前の準備で授業者のメッセージは形になっていた。

 

(2) これからやろうと思ったこと
・「物理」での難関大問題解法の修得に利用していけるのではないかと考えた。


・まだ習ってないこと(公式)をグループでやる→その後で、その公式の成り立ちを教える、というような、押し方の順番をワザと入れ替えて、生徒の集中力や好奇心を保つ方法


・事前の準備に時間をかけて、段階的に考えさせるにはどうしたらいいか考えてみようと思いました。国語でも、ここで終わりと自分で答えを深める前に諦めず、考え続けられるように、どんな支援ができるか工夫してみます。


・数学科におけるアクティブラーニングの可能性の追究(まだ難しいと感じている)。


・初見の文章を主体的に読ませる。テストでも初見の文章を扱って、それを生徒に納得させるような課題の設定、資料の準備をする。

 

(3) 授業者へのメッセージ
・様々な試みを紹介していただきありがたいです。


・単純に答えを教え込むのでなく、過程を大切にしたい、というY先生の数学の教育観が現れていいてすてきだなーと思いました。


・また授業をみせて下さい。それから国語の授業の相談にものっていただけると嬉しいです。


・もっとみんなで授業を見合いましょう!


・8月9日、行きます!(転載者注:8月9日に産業能率大学でアクティブラーニングの研究会があります)

 

(4) その他、ご自由に
・生徒の気付きを促す質問の投げかけ方って本当にむずかしいですね…


・とりあえず、勉強合宿がいい機会なので、少しだけでも自分でアクティブラーニングを取り入れてやってみたいと思います。


・途中からでごめんなさい。。


・これだけしっかりと準備して研究授業・授業検討会を行ったその膨大なエネルギーに敬意を表します。これが単発のものに終わらないために次はどんな企画ができるか、共に考えましょう。
アクティブラーニングには思想的な裏付けが必要だと思います。現在の教育の中で何故、アクティブラーニングが必要なのか、アクティブラーニングの歴史的な位置などどうやって学ぶのか、理論編も必要なのではないかと思います。
授業の質は高度なものではありましたが批判的な検討が必要な部分もあるのではないかという点、夏期講習としての達成目標はY先生のお話通りでよいのかという点、検討が必要ではないかと思いました。

 

●授業見学ワークシートより
(1) 授業者のよい点、ほめたいこと、自分にとって良い気付きを得た内容
・生徒に多くの考える時間を与えた点。適切なヒントが用意されていた点。問題の解法を段階的に用意し、生徒を正解に導いた点。


・題材の選び方と小道具が良かった。アクティブラーニング(数学)の内容に題材が与える影響を強く感じた。

 

(2) 授業者に質問したいこと。できるなら「気付き」を促すような質問を。
・普段の授業単位で行う際の教材や流れ(1年間?3か月?)はどういう可能性があるのか。

 

●授業者の振り返り
忙しい中、多くの先生にご見学いただき、本当にありがとうございました!


見ていただけるというだけでも良い意味でプレッシャーであり、入念な準備をするモチベーションになりました(普段からしなければいけないですが)。またいつでも、アポなしでも、短時間でも、授業を見に来ていただけたら嬉しいです。


授業そのものは、こちらが思っていた以上に生徒が集中して取り組んでくれたおかげで、形としては悪くなかったと思います。内容としては、まだまだ改善の余地がありました。段階的にヒントを出す方法は今回実験的に取り入れたものでしたが、ゲーム性を持たせたこともあってか、生徒には好評だったようです(ヒントの内容は要検討です)。


アクティブラーニングの導入に際して自分の最大の課題は、グループへの介入の仕方(ファシリテーション)です。今後も他の先生や他の実践事例から学び、上達していければと思います。


振り返り会においても、先生方のご感想・ご質問から重要な気付きを得ることができました。生徒を信頼する(考えが進むのを待つ)勇気、という観点は今まで意識のないものでした。たしかに、思わず教えたくなってしまうもどかしさはありますよね。今回はヒントは全て紙で出していたので、それが良かったのかもしれません(もちろん事前準備以外の、その場の必要に応じた支援・言葉掛けは大切です)。


授業の目標という観点も、もちろん自分で設定してはおりましたが、改めてどうあるべきかを考える機会を得られる質問を頂戴しました。ありがとうございました。

 

 

●幹事コメント
第1回の開催は成功に終わりました!参加してくださった先生方のお陰です。ありがとうございました!今回は都合が悪く参加できなかった先生方も、ぜひ次回以降、少しずつ顔を出していただければと思います。


今回の授業は研究授業という色合いが濃くなりましたが、平常の授業の1コマを見て話し合うことも同じくらい大切だと考えています。すべては授業者の思うままに進めてください。どのような授業からでも、参加者が得られる気付きは多くあると信じています。


振り返り会もモデルに従ってスムーズに進めることができました。進行役の畑中先生、ありがとうございました。「批判・意見・誘導にならない、気付きを促す質問」をすることはなかなか難しいですが、会の中で生まれた気付きの通り、それはそのまま授業中の生徒への問いかけにも言えることだと思います。「落としどころに誘導する」ことと「解決へ向かうよう手助けをする」ことの違い、あるいはそれらの是非など、まだまだ話し合いたい課題は尽きないですね。

 

●次回のご案内
夏休みで授業が行われませんので、次回はワークショップとさせてください。

日時:8月23日(金)16:00~17:00
場所:未定
内容:「アクティブラーニングで学ぶ『アクティブラーニング』」(仮)50分
 振り返り会 10分

 

アクティブラーニングとは、要するに「講義形式のみではない授業」という非常に幅広い概念です。例えば、授業の途中でほんの1分間だけ「ここまでの授業の内容を隣の人と振り返ってみましょう」というような取り組みをするだけでも、それがアクティブラーニングになります。


自分の授業スタイルに合わせて、1分でも30秒でも、取り入れられることを考えていければと思います。

 

2学期から再開する授業の中で、「こんなことをやってみようかな」という気付き・思いつきを得ることが当面のゴールですので、難しく考えず、気軽に参加してください。

 

一応、先日お渡しした『キャリア・ガイダンス』誌のP.8~やP.34~を軽く読んできていただければ幸いです。


他に参考資料として、同誌の特集「教科でキャリア教育」も、具体的な実践事例として得られるものがあると思いますので、どうぞご覧ください。
http://souken.shingakunet.com/career_g/2013/01/post-705a.html