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アクティブラーニング&ICT最前線

ー21世紀型授業づくりへの挑戦。あと読書。ー

遠山啓「基礎からわかる数学入門」

読書記録

 

 

1960年代後半に出版された、

「キュート数学」のリニューアル版。

そのままのタイトルの方が売れそうなのに・・・

 

全然別の本ですが、

小島寛之さんの「キュートな数学名作問題集 」も面白い本です。

 

さて、「基礎からわかる」とタイトルにあり、

帯にも「再学習のための」と書いてあるのですが、

もともとの本は誰をターゲットにしていたのか。

 

きっと再学習ではなく初学習の高校生だと思うのですが。

 

遠山啓さんらしく、全くの手抜きなく、

紛れもなく「基礎からわかってもらいたい!」

という強いメッセージが込められています。

 

 

会話調をとってはいますが、

文系志望の文子さんも、理系志望の理一さんも賢すぎて、もう・・・笑

 

会話調だと、感情移入できることを期待する分、

ついていけなかったときの諦めが早くなってしまうのではないかなと。

 

遠山啓さんは普通の解説の方が分かりやすいので、

その方が良かったのではないかなと思います。

 

大きなお世話ですけど。笑

 

 

内容は、数学が好きな人にとっては、

教科書もこうやって誤摩化しなく教えてくれればなぁ、

と思えるような内容です。

 

分かりづらい、ということではもちろんなく、

εδが登場することをとっても、遠慮がないと言うか、

本当に1つ1つを全部分かった上で積み上げてもらいたいという、

熱い数学教育者の想いが込められています。

 

 

私は好きです。

 

が、本の厚さも相俟って、

生徒が手に取って最後までいくかどうかは・・・

 

こういう、ごまかしのない授業もしたいですが、

でも1つ1つ行きつ戻りつ論理を積み重ねていくという、

実に数学的な、興味深い旅の過程にある辛さを乗り越えるには、

やはり資質が要求されてしまうのではないかと思います。

 

ある意味では逃げなのかもしれませんが、

私の今の実力では、「数学好き」ではない子を、

この旅に自信を持って連れて行く勇気はありません。

 

 

それこそ、再学習という立場で、

何が何でも理解しなければならない、というプレッシャーもなく、

自分が理解できるところまで(と、あと一歩くらい)理解できれば良いかな、

くらいのスタンスで、

そして一応は高校数学の全体像をぼんやりとでも掴んでいる人であれば、

「本当はそういうことだったのか」という分かり方が出来るのではないでしょうか。