永野裕之『根っからの文系のためのシンプル数学発想術
『大人のための数学勉強法 ― どんな問題も解ける10のアプローチ』や
『問題解決に役立つ数学』の著者による「文系」向け数学本。
いきなりセンター現代文の問題が出てきて、
それを極めて論理的に解き始めます。
センター現代文という枠内において、
テキストを論理的に分析して解答を導く、
という戦略は非常に適切だと思います。
本文の内容が全く分からなくても、
センター現代文の問題は解けます。
客観式な問題である以上、
回答者の頭の中にも、出題者の頭の中にも、
まして本文著者の頭の中にも、
解答の根拠を求めてはいけないわけで、
であれば、すべてテキストに答えの根拠が書いてあるわけです。
実際、生徒にもそう伝えていますし、
(たまに国語の相談もされるのです)
それでセンター現代文の問題は解けるようになっています。
あえて「センター現代文」と繰り返している通り、
ある意味ではセンター現代文にしか通用しない方法ですが。
要するに「文章を徹底的に客観的に読む」ということです。
しかし、そういう意味では、センターでない現代文にしても、
それ以降の大学生や社会人におけるテキスト読解にしても、
基礎としては持っていなければならない力なわけですが。
・・・数学の本の話でした。
永野さんの本は、読みやすくて良いですね。
ポリアの『いかにして問題を解くか』の
現代語訳版と言ってもやや過言なくらいです。
数学における考え方のポイントを的確に抑えて、
分かりやすく説明しています。
あと、指揮者の話が何回か出てきますが、
初耳なことばかりで面白かったです。