秋田喜代美『教師の言葉とコミュニケーション』

 

教師の言葉とコミュニケーション―教室の言葉から授業の質を高めるために (教職研修総合特集)

教師の言葉とコミュニケーション―教室の言葉から授業の質を高めるために (教職研修総合特集)

 

 

先日の『対話が生まれる教室―居場所感と夢中を保障する授業』の正編。

 

別のシリーズと勘違いして続編を先に読んでしまいましたが、

正編の方がより刺激的な内容でした。

 

久しぶりに、同僚の先生にも読んでもらおうと積極的に思える本です。

(これは読んで共有ほしいなーは、たくさんありますが、

ぜひ読んでほしい!というのは多くはないのです)

 

形式は続編と似ていて、

大学院生による理論面からの実践分析と

(知っている名前が多くて何となく嬉しい)、

現場の先生による実践記録と、

研修コーディネーターを務める方々による校内研修への提案。

(秋田先生や石井順治先生や佐藤雅彰先生など)

 

 

良くも悪くも、昔のように「こういう授業をしたい!」と

事例を純粋に受け止める感覚はなくなりましたが、

しかし現場の経験に基づいて事例の良さを感じられるようになった気がします。

(その一方で現場経験による偏見や固定観念もあると感じますが)

 

なおタイトルは『教師の言葉とコミュニケーション』ですが、

もちろん教師だけの言葉がテーマではなく、

子どもたちとの対話が主な対象です。

(保護者との対話も時々入ってくるのが面白いです)

 

 

あとは自分が教育に入って3年間こういう研究分野で学んだためか、

学問的な側面からの文章の方が一段深いレベルでの思考を促してくれる気がします。

(実践記録に比べて抽象度が高いためかもしれませんが)

 

 

学び、対話、コミュニケーション、教師の居方・語り方など

大いに考えさせられること・振り返らせられることの多い一冊でした。

 

 

あと思ったのは、本書に佐藤学先生は登場しないのだけれど、

語られる文章や言葉の端々にその存在を感じるなぁということ。

 

この語り口はもしや・・・と思うと、

大体関係が深かったり、影響を受けていそうな方が項の担当者で。

 

さすがの影響力ですね。