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アクティブラーニング&ICT最前線

ー21世紀型授業づくりへの挑戦。あと読書。ー

授業見学&振り返り会

2014年度実践記録

3年生で行っているアクティブラーニング型授業を見学していただきました。

 

授業の流れは、

 

5分 個人で取り組む

4人グループを作る

1分×4 1人ずつ、現在の状況をグループで共有

25分 グループで問題を解く

15分 解説(数分残ったら復習)

 

というものです。

 

 

現在のテーマは、入試問題へのアプローチ。

 

パッと見て何をしたらよいか分からない問題に対して、

どういう切り崩し方をしていくかを学ぶのが目的です。

 

例えば実験する、具体化する、図やグラフで可視化する、予想する、

特殊な場合を考える、逆から考える、問題を簡単にする、などなど。

 

 

なかなか成長が目に見えない部分ではありますが、

これまで全32回の授業でいくつかのアプローチをやってきて、

 

「手がつかない問題だけど、何とか手をつけてみる」

という姿勢はかなり身についてきたのではないかと感じています。

 

これが入試の成果に直結するかと言われると難しいところですし、

むしろそんな難問に出会わずに、典型解法や類題想起だけで済めば、

ある意味ではそれに越したことはないのですが。

 

でもある程度以上のレベルの問題に対しては絶対に必要になる話で、

かつ、独学で学ぶのは難しい分野、ということで授業で扱いました。

 

 

振り返り会で頂いたコメントや質問と、それへの回答です。

 

文体的に偉そうなのはご容赦ください。

 

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1.問題のレベルが高すぎないか(東大〜旧帝大レベルが中心)

 

目的がアプローチを学ぶことなので、意図的に高くしている。

 

スムーズに解き始められるのは1人か2人、

全く手がつかない人が大半、というレベル。

 

「手がつかないのが当たり前」という点を共有した上で、

でも何とかして、一歩でも進みたい、視界を開きたい、

と手を尽くすことを体験してほしい。

 

解ける人も、解けない人もいる、というレベルではかえって、

がんばろうと前向きになれる安心な環境は作りづらい。

 

 

2.グループの構成は意図的か。

 

今は普段の座席のままグループを作っている。

 

このクラスの座席は自由なので、

ほぼ毎日ある数学のグループ活動で一緒になるメンバーを

ある程度意識しているだろう。

 

一時期、数学の力が均等になるように振り分けたりもした。

 

そこは目的に応じて使い分ければ良いと考えている。

 

グループワークがある程度うまく進むことを経験させたいならば、

意図的なグループ構成にするべきだろうし、

 

グループワークがうまくいかない状況も含めて、

たまたま同じグループになった人間と、人間関係を作ることから、

場合によっては仲が良くない相手とも適切な距離感で協力することも学ばせたいならば、

ランダムなグループ構成にするべきだろう。

 

もう1つ、生徒たちに任せるという構成の仕方もある。

今のやり方はそれに近い。

 

この場合は、どちらかと言えば前者の構成に近い状況になりやすい。

 

ただ、今の目的は別にグループワークをうまくいかせることではなく、

後者のストレスを与えるべき時期ではないと判断してのこと。

 

 

3.参加していない生徒に対する促しはどうしているのか。

 

手が止まっていて、黙っている子であっても、

グループの子が解いているのを見ていたり、

話し合っているのを聞いたりしているのであれば、

それは何かしら考えているはずなので問題ないととらえている。

 

また、明らかに参加していないように見える生徒に対してであっても、

3年生ということを踏まえて、今はほとんど介入をしていない。

 

「やらなければならない」ことは皆わかっていると考えているので、

今日はいまいち集中できない、調子が悪い、といった事情もあるだろうから、

あとで自分でちゃんと復習してくれるならそれも良し、としている。

(生徒に対して明言はしていないが、こちらの対応を見て伝わっているだろう)

 

1、2年生の授業であれば、もう少し積極的に、

グループ内で他の子とつなぐように介入をする。

 

 

それとは少し別で、グループワークへの参加が苦手な生徒に対しては、

今後大学でゼミや研究をしたり、就職して仕事を進めていく中で、

チームを作ること、チームで協力すること、チームに貢献することは必ず求められる、

その練習ができる場だと思って練習してほしい、と伝えている。

 

また、参加が苦手な生徒に参加を促すと同時に、

他の子どもに対しても、その子が話せないのは周りの責任でもある、

意見を引き出そうとすることもチームの責任だ、と伝えている。

 

 

4.グループにしてからの1分×4の時間の意味は。

 

個人で解いていた時間から、すぐにグループ演習の時間に移行しても、

個人で解くことを続けてしまう子が多い。

 

今の授業の目的は、グループの中であれこれ意見を出し合う中で

手が進みそうな考え方を見出すことを経験することにあるので、

強制的にグループ共有の時間を作ることで、

その後のグループ演習を共有の続きにさせたい。

 

1人でじっくり考えることは家でもできるので、

人が集まる授業という場でしか出来ないことをやることに意味がある、

と子どもたちにも伝えている。

 

そのため、必ずしも1人ずつが順番に発表をしていなくても構わないとしている。

 

個人の時間で考えられたことが少なく、1分持たなかったら、

次の人に進んでもいいし、グループ全員で考える時間にしても良い。

 

実際、1分×4の時間からすでにグループ演習の時間と同じ状況になるグループもある。

 

 

5.理解度はどのくらいか。

 

今の授業では、目の前の問題を解くこと自体は目的ではないので、

解説で100%理解できなくても構わない、としている。

(ただし解けるようになる価値のある問題なので、

しっかり復習してほしい、とも伝えている)

 

特に、グループ演習の時間をできるだけ確保するため

解説の時間は15分と短くしているので、

説明はコンパクトにしており、途中を端折ったり、計算を省略したりしている。

 

生徒には、100%分かるような説明はしていないから、

自分の実力で分かるところを理解すれば良い、

そして分からなくなった地点を自分で把握できれば良い、としている。

 

 

6.グループ演習中に気をつけていることは。

 

黙ってしまうことよりも、盛り上がってしまうことに注意を払っている。

 

声の大きさやトーンから判断して、盛り上がっている場合は、

問題について話し合ってはいても、浅いレベルで終わっていることが多い。

 

そして盛り上がりは他のグループにも伝染してしまうので、

そろそろまずいな、というタイミングで黒板にヒントを書くようにしている。

 

黙って書いても、書けば黒板を見るので、ある程度雰囲気を抑えられる。

 

言葉で一度止めるよりは効果的だと考えている。

 

逆に、盛り上がりすぎることがなければ、ヒントはあえては出さない。

 

 

黙ってしまうグループについては、

ポツポツとしたつぶやきが共有されているならばそれは考えが深まっている印だが、

そうでなくて完全に黙ってしまっていても、

各自が考えているならばそれで良いと判断している。

 

 

7.グループワークを取り入れ始めたときと変わったことは。

 

子どもたちがグループワーク自体に慣れた、という点は大きい。

 

慣れてくると、スッとグループワークに移行できるし、

途中で雑談など脱線してしまっても、自分たちで戻ることができる。

 

逆に、今までグループワークをしていない子たちに、

しっかりとしたグループワークを求めるのは無理がある。

 

慣れるまでの時間を犠牲にする、というわけではないが、

(前述の、グループの人間関係を自分たちで作り上げる、という体験になる)

ある程度の時間は、

グループワークという取り組みそのものに対する学習の時間と捉える必要がある。

 

その意味では、大半の授業でグループワークを取り入れれば、

慣れるのも早くなるだろう。