「学校をゲームの力で楽しく変えるアイデア創出ワークショップ」
http://www.anotherway.jp/archives/001323.html
ファシリテーター:
藤本徹さん(東京大学 大学総合教育研究センター助教)
千葉順さん(株式会社HEART QUAKE 代表取締役)
主催:
Ludix Lab(NPO法人Educe Technologies)
「学校をゲームの力で楽しく変えるアイデア創出ワークショップ」
@東京大学福武ホール
に参加してきました。
ゲーミフィケーションの考え方には以前から関心があり、
授業や学校生活に取り入れたら面白そうだとは思いつつも、
なかなか実現には結びついていませんでしたが、
今回のワークショップに参加して、
考えていた以上に学校生活とゲームとの親和性が高く
(より正確には、親和性が高い部分が多く)、
実現できるレベルの面白いアイデアまで出せるのではないか
という手応えを得られました。
ただ、「ゲーム」という言葉自体が生む抵抗感をどこまで減らせるかは
一つのハードルとして存在すると思います。
けれども時代の流れの後押しは期待できるとも思います。
以下、配布資料やメモより
◆ゲームの要素
1.ゴール:達成すべき成果
2.ルール:制約条件
3.フィードバックシステム:達成度の把握
4.自発的参加:「超える必要のない障壁」
(マクゴニガル2011)
◆「ゲーム」と「遊び」の分類(「遊びと人間」カイヨワ1958(
・ゲームと遊びに共通の分類(ゲームの例←→遊びの例)
アゴン(競争):スポーツ、格闘技、チェス←→規則のない競争や対決
アレア(偶然・運):宝くじ、ビンゴ、ギャンブル←→じゃんけん、さいころ遊び
ミミクリ(模擬・模倣):演劇、見世物、仮想←→ごっこ遊び、物まね
イリンクス(目眩・惑乱):スキー、サーカス、非日常体験←→ブランコ、回転木馬
ルドゥス←→パイディア
ゲーム:目的・ルール・技・努力・秩序
←→一般的な遊び::気晴らし・騒ぎ・即興・発散
◆学校的な教育デザインとゲームデザインの観点の違い
・「楽しい失敗」と達成感の演出
「フィエロ」「ナヘツ」
・「教えない学習」VS「教えなければ学ばない」
・「成功しなくても心地よい」VS「できないとつまらない」
◆ゲーミフィケーションの基本デザイン原理
・目標達成したい気持ちを刺激する
・他者との競争心を刺激する
・運の要素を取り入れる
・時間制限でプレッシャーを与える
・希少性をアピールする
・謎解きの要素を入れる
・好奇心を刺激する
・難易度を高める
・社会的なプレッシャーを与える
・チームで協力させる
・経済的な価値を取り入れる
・再度挑戦できるようにする
・強制的に決めさせる
・進捗や状態を数値で示す
・新鮮な感覚を与える
・到達度を示して達成感を味わわせる
(Dignan2011)
◆ゲームも万能ではない
・ゲームの長所
学習活動への意欲を高めやすい
複雑な概念の理解を促しやすい
振り返り学習を促しやすい
フィードバックを通した学習改善を起こしやすい
・ゲームの短所
ゲームで勝つことを優先して学習が疎かにされやすい
必要以上に時間がかかりやすい
教師による統制が困難になりやすい
従来型の学習への興味が下がりやすい
娯楽ゲームと比較して評価されやすい
◆評価基準
ソフトシステムズ方法論の5E基準
1.可動性Efficacy
2.効率性Efficiency
3.有効性Effectiveness
4.倫理性Ethicality
5.洗練性Elegance
(チェックランド1990)
◆Quest to Learn:ニューヨークでの取り組み
ミッションとクエスト
システム・シンキングを身に着ける
指導要領への対応
◆3D Game Lab:クエスト授業用SNS
◆学校にゲームを取り入れるアイデア(グループワーク)
・「俺がベストティーチャーだ!」
子どもが教える/生徒と先生で教え方を競う
(評価者は観客;教わる側の子ども)
・相互評価、ほめあい、逆密告
・ディズニーランドとの対比
ディズニーランドは、お金を払って参加し、
キャストやスタッフに感謝の心を持てる
・例えることで楽になる/多様性を認め合う
例:RPGの職業に例えて、
「あいつはファイタータイプだから」「あいつは魔法使いタイプだから」
(多様性が受け入れやすい。全員が同じタイプであることを求める必要がない)
・「学校に行くくらい、今の子どもたちはヒマ」
やりたいことが見つからないのも当たり前
キッザニアをより本格的に。職業につくのに、資格が必要
例:お店の店員になるには、計算力が必要だから、
算数のテストAで~点以上だと仕事に就ける。