ブライアン・ヘイズ『ベッドルームで群論をーー数学的思考の愉しみ方』
ずっと一冊丸ごと群論の本だと思っていたので
読むタイミングを選びつつ半年ほど本棚に眠っていたのですが、
いざ読んでみると、数学エッセイ集でした。
そして12編のエッセイがどれも面白い。
ベッドのマットレスの返し方における汎用的方法を考えたり、
「ランダム」を発掘する必要があり枯渇する可能性のある資源と見たり、
経済社会における貧富の差の行く末をシミュレートしてみたり。
副題の通り、数学的思考の愉しみ方、つまり探究の過程に焦点が置かれており、
結論がどう、ということよりは、
著者と一緒に数学的アプローチによる探究を楽しむ、
ということが重視されています。
なので数学に詳しくない人でも(=私でも)楽しく読めます。
おもしろ数学コラム集からは一歩レベルアップして
数学の世界を覗きたい人にオススメです。